20歳のときに知っておきたかったことを読み終えて

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買う前に、インターネットで書評を読んでいると、「著者はどん底を知らない」とか、「著者は起業家ではないから起業精神を本当には理解していない」とか、「自身の体験ではないため伝わる力弱い」といったコメントも見受けられたが、引用が多く読みやすいというコメントを決め手として購入に至った。

実際読んでみて挙げられていた悪評について、個人的にはどれも見受けられなかった。
というのも、著者は教育者兼学者であることを明言しているし、自分自身の考えを表すためにいろいろな人の体験を引用しているだけで全体が著者の体験から生まれた考え方であるととらえることができた。また、本当の起業精神知っているからといって起業精神を教えれるわけでもなく、「どん底」を体験したからと言って成功できるわけではないし、あくまでも、すべては自身が見つけていくことを前提としているとの主張が本文にも見受けられ、著者は背中を押すための努力をしていると書いているように見えた。

この本は起業精神を中心に書かれている本ではあるけれど、起業したい人に限られた考え方や即何かにつながるといった方法を述べている教則本ではない。
著者自身が述べている通り、自分自身が20歳の時に知っておきたかったこと、30歳、40歳、50歳と年を重ねて、やはり意識しておきたいことを、20歳になる息子のために優しく丁寧にまとめ挙げられた本で、生きていく中で頭の片隅にでも置いておきたい考え方集である。

もちろん、現在成功してる人がみなこんな考え方をしているわけでも、同じ「解」を持っているわけでもないが、いろいろな人に薦めたい本に仕上がっている。

25年生きてきた中で・・・というか高校を卒業してから今まで生きてきた中で抱き始めた「もっと失敗しておくべきだった」という感覚を、最後に書かれている「解説」を読むことで本文を読み進めるなかで「自分には無理」とか「現実離れしている」といった消化不良とともにうまく取り除いてくれた。これは、たぶん相性の問題もあるのだろうとは思うがこの効果は絶大だった。解説を読んでから再度最初から読みなおすことで本文を受け入れやすくなり、吸収しやすくなるので最低2回は読んでおきたい本だ。

この本の良し悪しは読んだ本人のこれからにかかっていて、この本は読者の糧になったり、新たな一歩の切っ掛けになったりすることを望んでいるということがはっきりと伝わってくる非常にメッセージ性のあるいい本である。
鬱っぽい人もなんだか満足できない人にも一度読んでみてほしい。

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